ベトナム特許法改正(2023年1月1日施行)
2022年6月16日にベトナム知財改正法が国会を通過し、2023年1月1日から施行予定である。このベトナム知財改正法の中での特許法の主要な改正点は次のとおりである。
- 改正前の特許法では規定されていなかった拡大先願(進歩性判断の対象となる出願の出願日(優先日)以前に出願され、当該出願の出願日以降に公開となったベトナム出願)の進歩性判断における扱いが規定された(1条)。改正特許法下で拡大先願にあたる出願は新規性を否定する先行資料となる。改正特許法には日本のような同一出願人の場合の例外規定の記載は明示されておらず、セルフコリジョン(同一出願人の拡大先願にあたる出願に基づく進歩性の否定)が発生する可能性がある。現地代理人は実際にセルフコリジョンが発生するかどうかは現時点で明確でないと述べており、今後の改正規則や改正ガイドライン等で実運用での取り扱いが明確化される可能性があると述べている。
- 改正前の特許法では示されていなかった特許無効審判等において用いることのできる無効理由が追加で例示された(96条)。追加された主要な無効理由は以下のとおり。
・セキュリティ管理規則に違反して持ち出されて冒認出願された出願
・出願時の明細書に開示された範囲を拡大又は変更したクレームを含む出願
・出願時の明細書に十分にサポートされていないクレームを含む出願
【情報源】
Tilleke&Gibbins ニュースレター
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