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フランス-日本間のPPH試行プログラムの申請手続き

フランス-日本間のPPH試行プログラムの申請手続き

 2021年1月1日より、フランス産業財産庁(INPI)及び日本特許庁(JPO)の間の特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムが開始された。フランス-日本間のPPHの実施は、フランス特許の審査手続きを強化するPASTE法との相乗効果により、効率的で費用対効果の高い、ユーザ指向なフランス特許制度を構築するための基礎となることが期待される。

 フランス-日本間のPPHは、日本の特許出願、又は、日本の国内段階に入ったPCT出願の優先権を主張するフランス出願に適用される。フランス-日本間のPPHの申請は、フランスでの実体審査が始まっていない限り可能であるが、INPIはフランス特許出願後12ヶ月以内にPPHの申請をすることを推奨している。また、申請するにあたって手数料は不要である。具体的なINPIへのPPH申請要件・必要書類は以下の通りである。

 

要件(以下の(1)~(4)をすべて満たす)

(1)PPH審査を申請するINPI出願が以下①及び②のいずれかに該当する。

  ① JPO出願を基礎として、パリ条約に基づく優先権を正当に主張する出願

  ② 優先権主張を伴わないPCT出願を基礎として、パリ条約に基づく優先権を正当に主張する出願

(2)以下の③及び④を満たすJPO出願(対応出願)が少なくとも一つ存在する。

  ③ JPOによって特許可能と判断された請求項を有する。

  ④ PPH審査を申請するINPI出願に対応する。

  「対応する」出願の詳細:

   ・パリ条約に基づく優先権主張の基礎となる出願

   ・パリ条約に基づく優先権主張の基礎となる出願の分割出願

   ・パリ条約に基づく優先権主張の基礎となる出願に基づき国内優先権を主張する出願

   ・パリ条約に基づく優先権主張の基礎となるPCT出願から移行した出願

(3)PPH審査を申請するINPI出願の全ての請求項が、JPOによって特許可能と判断された請求項と十分に対応している。

(4)PPH申請時にINPIが出願の特許審査に着手していない(推奨:出願後12ヶ月以内の申請)。

 

必要書類

(A)JPOが対応出願に対して発行したオフィスアクションであって、特許性の実体審査に関わるオフィスアクションの全ての写し及びその翻訳文

(B)JPOで特許可能と判断された全ての請求項の写し及びその翻訳文

(C)JPOの審査官が引用した文献の写し

(D)請求項対応表

 

※翻訳文の翻訳言語は英語又はフランス語である。なお、機械翻訳は認められるが、審査官によって翻訳不十分と判断された場合は再翻訳が求められる可能性がある。

※書類(A)~(C)については、JPOのドシエアクセスシステムで入手可能な場合は、その旨の記載をもって提出に代えることができる。また、並行した手続き又は以前の手続きにおいて、INPIに書類(A)~(D)を提出済みの場合、その旨の記載をもって提出に代えることができる。

 PPHの試行プログラムは2022年12月31日に終了する予定であるが、INPI及びJPOによる共同レビュー及び実施評価後に延長される可能性がある。また、INPI及びJPOは、プログラムへの参加申請数が管理可能なレベルを超えた場合は、事前告知の後、2022年12月31日より前に終了することができる。

 

【情報源】

JPO HP:https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/pph/guideline.html

Beau de Loménie HP(www.bdl-ip.com):https://www.bdl-ip.com/en/pph-starts-in-france-with-the-jpo/

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