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統一特許裁判所協定批准法案への不服申し立て却下

 2020年12月にドイツ両院で採択された統一特許裁判所(UPC)協定への同意を含む批准法案について、2件の不服申し立てが提出されていたが、ドイツ連邦憲法裁判所は、これらの不服申し立てを2件とも却下したことを公表した。不服申し立ての却下を受け、ドイツによるUPC協定の批准の見込みが立つこととなった。

 

 欧州単一特許およびUPCの施行には、ドイツを含む複数国によるUPC協定の批准が必要である。※

 ドイツにおけるUPC協定への批准法案は、2017年3月にドイツ両院で採択された後、ドイツ連邦議会における賛成数が必要数を満たしていなかったとの理由で無効と判断された。その後、2020年12月、ドイツ連邦議会の賛成を必要数以上得た上でドイツ両院により再度採択された。批准法案はドイツ連邦大統領の署名により公布されることとなるが、批准法案に対する不服申し立てを受け、ドイツ連邦大統領は、不服申し立ての是非が判断されるまで批准法案への署名を待つこととなっていた。

 2021年6月23日、仮差止命令請求を含む2件の不服申し立ては、原告が基本的権利を侵害する可能性を十分に主張・立証することができていないとして、ドイツ連邦憲法裁判所により却下された。不服申し立ての却下を受け、ドイツ連邦大統領の批准法案への署名が可能となる。今後、問題なくドイツ連邦大統領の署名・批准法の公布が進めば、ドイツが批准書を寄託することとなり、ドイツによるUPC協定の批准が完了する。

 

※UPC協定の発効のために必要な批准国は残すところドイツのみとなっていたが、英国のEU離脱による影響などの問題があり、ドイツによるUPC協定の批准後も、欧州単一特許およびUPCに関する動向が注目される。

 

【情報源】

ドイツ連邦憲法裁判所 HP:https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Pressemitteilungen/EN/2021/bvg21-057.html

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